更年期障害の治療~プラセンタ皮下注射療法とは


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更年期障害の投薬治療としてはホルモン補充療法漢方薬が一般的ですが、細胞の活性化をはかるべく「プラセンタの皮下注射療法」が検討されることがあります。


プラセンタは「胎盤から抽出された有効成分のエキス」であり、多種のアミノ酸・ミネラル等を含んでいます。

その摂取により、代謝の活性化免疫力の強化炎症の抑止など、さまざまな薬理効果が期待されるところです。


プラセンタの皮下注射治療は、更年期障害の治療を目的に成される場合、健康保険の適用があります。


具体的には、更年期障害の諸症状、なかでもホットフラッシュや冷え、慢性疲労、頭痛・肩こり・腰痛・関節痛などの不定愁訴の軽減うつ等の精神症状の改善を目的として、医師が適切な治療と認めた場合に限られます。

更年期の症状(2)~その他の不定愁訴

たとえば肝機能・腎機能に障害がある方は避けるべきですし、またアレルギー・過敏症がある方も、事前に医師への十分な相談が必要になります。


プラセンタは哺乳動物の胎盤から抽出された成分全般を指し、その意味で化学合成品ではなく自然界に存在する成分であることから、そもそも重篤な副作用のリスクは少ないとみられています。

現在国が認可しているプラセンタ注射は2種類あり、更年期障害の治療で保険適用されているのは、「メルスモン」という名前の胎盤製剤です。

メルスモンが認可されてからすでに50年以上経過しており、これまで重篤な副作用の報告はなされていません。


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更年期障害の治療向けプラセンタ製剤の原料はヒトの胎盤で、かつ加工時に加熱処理されていることもあり、安全性は高いとされています。

その一方で「感染症等へのリスクは、理論上ゼロとまでは言い切れない」、との声もあるところです。


ちなみに献血においては、日本赤十字社は万一の感染症への配慮として、プラセンタの注射薬を使った人の献血を当面は受け付けないこととしています。

ヒト胎盤(プラセンタ)由来製剤について(大阪府赤十字血液センター)


また皮下注射に比べ、静脈注射や点滴注射による副作用の発現リスクは相対的に高いといった報告もあることから、現状ではプラセンタの静脈注射・点滴注射が治療の現場では避けられていることも、知っておきましょう。


付け加えていえば、一般に市販されているプラセンタのサプリは人ではなく、馬や豚などの胎盤エキスで作られています。

経口摂取では胃に入った段階で栄養成分の相当量が失われ、栄養成分を吸収する腸までなかなか届かないことから、(胃腸を経由しない)病院での注射治療ほどのストレートな効果は、期待できません。これらは栄養剤程度に考えておくほうが無難でしょう。

プラセンタ、胎盤(「健康食品」の安全性・有効性情報)


いずれにしてもプラセンタの安易な大量投与や長期的投与、そして不適切な方法による摂取は厳に避けるべきであり、定期検査と医師の経過観察のもとで治療を続けるべきでしょう。


更年期障害の治療としてプラセンタ注射をする場合は、週1~2回程度の注射を3ヶ月程度続け、改善の度合いを見るのが一般的です。費用は1回の注射で数百円程度(保険適用・3割自己負担の場合)で、経済的な負担感はそれほど高くないはずです。


なお単なるアンチエイジングを目的としたプラセンタ投与には、健康保険が適用されないので注意しましょう(こちらは一般に、美容外科等における自由診療となります)。


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