漢方薬による更年期障害の治療~メリットと保険適用


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更年期障害の治療~ホルモン補充療法とはでは「ホルモン補充療法」について記しましたが、副作用などを鑑みれば、西洋医学的な治療にすぐに踏み切れない場合もあるでしょう。


そのような方には、「漢方薬」による投薬治療が適しています。更年期障害不定愁訴に対して相性の良いのが「漢方薬」です。


そもそも更年期症状としての「不定愁訴」は、いくつかの症状が交じり合いながら身体的・精神的苦痛として発現しているものなので、「個々の症状に、一対一で完全に対応できる薬」はありません


ところが漢方薬は「さまざまな有効成分がひとつの処方薬として配合されている」ため、含有される成分のどれか(いくつか)が効く可能性が高いのです。


photo credit: jimmiehomeschoolmom
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ある含有成分のマイナス面を、他の含有成分が打ち消すはたらきもあるので、漢方薬は全般的に副作用の心配もほぼ無く、気分的にもリラックスして服用できます。


ちなみに「漢方薬にも副作用があるため注意が必要」という言説はよく見かけるところですし、それ自体は事実なのですが、その一方で「生命に関わるほどの重篤な副作用がある漢方薬は無い」ことも事実です。


そのような漢方薬は千年単位の長い歴史の中ですでに淘汰されていますし、国が漢方薬を医薬品として承認した1967年からすでに半世紀が経過していますが、これまで副作用に関わる大きな問題は発生していません。

服用量や服用回数が適正かどうか、あるいは薬の出所に信頼がおけるか否か(海外からの輸入品など)を確認するほうが、よほど大切なチェックポイントになると言えるでしょう。


漢方薬の含有成分が人によって体質的にあわなかったり、アレルギーを起こす等のリスクは確かにありますが、万一何らかの副作用が出た場合でも、服用を中止するだけで解消されるので大丈夫です。

どうしても心配な方は、病院で先に血液検査を受けてから処方してもらうとよいでしょう。


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漢方薬には、保険の適用があるものと無いものがあります。保険適用の漢方薬は、エキス顆粒の包装に、薬の名称といっしょに番号が振られています

漢方薬が保険適用されることになった1967年、利便性をよくする目的からそれぞれの薬に、個別の番号が割り当てられました(たとえば、八味地黄丸の共通番号は「7」です)。

漢方薬の名前は長くて覚えにくいものも多いので、番号から探していくのも一方法です。


一方、病院でなく街の漢方薬を取り扱っている薬局を訪ね、処方箋なしで直接購入もできます。

この場合はお店の薬剤師と相談しながら、更年期症状(障害)に適した漢方薬を選べますが、保険適用外のものは比較的高額なので、予算をあらかじめ確認しておきましょう。


保険適用の漢方薬については、最初は街のドラッグストアで購入した漢方薬を試し、自分に合うと判断した段階で、医師に相談して処方箋を出してもらうのもよいでしょう。


実のところ、西洋薬に慣れた病院の医師には、漢方薬に詳しくない医師も多いようです。医薬費市場における漢方薬のシェアは数%程度に過ぎず、あまり力も入らないのでしょう。

ただし高齢化が進む中、国民の不定愁訴への関心の高まりも背景に、近年の医療用漢方薬の市場は右肩上がりの成長を続けています。

漢方専門医の検索(一般社団法人 日本東洋医学会)


さて、国の医療保険財政の厳しさもあり、現状のものから追加で保険適用される漢方薬の「新薬」はおそらく無いという見方が大勢です。

ということは、患者も試行錯誤しながら研究すれば、固定されたこれまでの漢方薬のラインナップから、自分にあった最適なものを選び出せる可能性も高いということです。


更年期障害の治療においては、漢方薬は長期間続けて服用する可能性が高いため、保険適用の有無で薬価代の累計額が大きく違ってきます

もちろん保険適用外の漢方薬にも良いものがたくさんありますが、経済的メリットを考えて、保険適用の漢方薬を第一選択にしましょう。


更年期障害に適した漢方薬で、更年期の諸症状に適した漢方薬を具体的にご紹介します。


次の記事は「更年期障害に適した漢方薬~3大婦人薬とは」です。

ひとつ前の記事は「更年期障害の治療~ホルモン補充療法とは」です。


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