更年期症状としての関節痛~治療と注意点


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更年期の女性に多い症状のひとつが、「関節痛」です。

日常生活に支障をきたすほどの痛みが、肩や手足のこわばりと共に数ヶ月も続いたり(慢性疼痛)、理由らしい理由も無いまま手指がしびれ出し、やがて神経痛が出てくる症例(手根管症候群)もあります。

手根管症候群 (日本整形外科学会)


ひと口に関節痛といっても、発生原因はさまざまです。

更年期の不定愁訴」として診断がつくこともあれば、膠原病など他の病気の一症状の可能性もあります。また他の病気(乳がん等)の治療中に、治療薬の副作用で関節痛が現れることもあります。


関節は骨と骨の接触面において、体の「可動性」「支持」という2つの役割を担っています。

この関節に生じる痛みは、加齢や過負荷・ケガなどの様々な理由で体の組織が壊れて(筋繊維断裂・骨折等)起きる痛みと、神経の損傷による神経痛、そして心因性の痛み(心因痛)の、3つに大別されます。


最初の2つの痛みが起きる代表的な病気には、「骨粗鬆症」や「関節リウマチ」等があります。


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更年期の関節痛には、最後に挙げた「心因痛」が加わってくるケースが多く、そのために治療も難しくなりがちです。


通常は初診で婦人科や整形外科を訪ねるでしょうが、受診した病院によって異なる診断(病名)がついてしまうと、たとえば処方される薬が「鎮痛剤」か「抗うつ剤」か等のごとく、治療内容そのものも変わってしまいます

したがって「関節痛を引き起こしている病気が何なのか」を正しく特定するためにも、「専門医による初診」が非常に大切です。

特に関節痛の治療においては、

  • 担当医に、正確に現在の病状を伝えること
  • 納得がいくまで、詳しく説明を受けること
  • それらがうまくいかない場合、思い切って病院を変えてみること

  • が大切なことを、心に留めておきましょう。


    更年期関節痛


    X線/MRI検査血液検査に加えて、既往歴・痛む部位と痛み方、痛みはじめた時期、他の随伴症状の確認などの「問診」を通じて、関節痛の原因特定をはかっていきます。

    更年期障害の診断がついた場合、上述のとおり「心因痛」が紛れ込んでくることが多いため、抗炎症鎮痛剤の投与や神経ブロック療法等の治療だけでは、痛みを完全に取り除くのが難しくなります


    ちなみに更年期の不定愁訴と診断された場合、更年期障害の治療~ホルモン補充療法とはで述べた「ホルモン補充療法」も、選択肢のひとつになります。


    コンドロイチン・グルコサミン・コラーゲン等、関節痛を和らげる効能を謳ったサプリメントに興味を引かれる方も、いらっしゃるでしょう。

    その有効性については現状見解が分かれており、臨床試験による効能報告等はあるものの、直接的効果は医学的に証明されていません

    これらのサプリメントは経口摂取しても、胃で成分のほとんどは分解されてしまいます(ただしヒアルロン酸やステロイド薬の「患部への直接注射」は、炎症の改善効果が医学的に認められています)。


    これらのサプリ摂取による副作用は特に報告されていませんが、まずは病院で診察してもらうことをおすすめします。

    コンドロイチン硫酸 (「健康食品」の安全性・有効性情報)

    医師の指導の下での医薬品の服薬、およびバランスのとれた食事と適切な運動によって肥満を防ぎながら関節にかかる負担を減らしていくことが、遠回りに見えて一番の近道と考えるべきでしょう。


    関節痛を軽くするための日常生活上の注意点も、いくつか挙げておきます。

    鈍い痛みが長く続くことによって日々のイライラ感がつのったり、痛みから動くのが億劫になるケースが、少なくありません。

    慢性疼痛なら多少の痛みとは共存する位の心づもりで、日々のストレス要因を減らすよう工夫しながら、精神的にゆったり構えることも必要です。


    運動不足になると筋肉量も落ちて、関節が固まりやすくなり、関節痛がさらに発症しやすくなる悪循環になりかねないので、週に数回の適度な有酸素運動(ウォーキング)を心がけましょう。

    関節の痛みは「冷え」によっても悪化しますので、痛む部位を冷やさないよう心がけ、温湿布や入浴で関節部分の血行を促すことも大事です。


    痛む部位に強い負担をかけないこと。これには「自らの体重増による負荷」も含まれます。膝関節の場合、体重を1kg軽くすると、片足への負担が3~5kg軽減するとのことです。

    いったん摩耗した軟骨組織は二度と再生しないので、治療を続けながら日常生活全般の動作を再チェックして、関節への負荷を軽くすることを心がけたいものですね。


    次の記事は「更年期の抑うつ~「更年期うつ」と「うつ病」との違い」です。

    ひとつ前の記事は「更年期の症状(2)~その他の不定愁訴」です。


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