更年期障害 症状と対策～安心を得るために

正常な月経周期(生理）は「25～38日で、変動が6日以内のもの」と定義されます。月経周期が正常であれば女性ホルモンが正常に分泌され、基礎体温は月経周期に相似した曲線を描きます。


排卵後は女性ホルモン「プロゲステロン」の影響で基礎体温が上がる「高温期」になりますが、受精が行われなければプロゲストロンの影響が無くなり基礎体温が低下する「低温期」に移ります。


3～7日の「月経期」、そして比較的体調の安定した「卵胞期」を経て、「排卵期」を迎えます。

そして次の排卵に向けた「黄体期」に、再び身体の代謝が活発になっていくという一連のサイクル（月経期→卵胞期→排卵期→黄体期）が「月経周期」です。

基礎体温からみると、黄体期が「高温期」に、その他の時期は「低温期」に属します（ 基礎体温表の読み方レッスン（花王グループ））。


この月経周期において、月経前に黄体ホルモンの影響が強まる「黄体期」に起こりがちな不調が「月経前症候群」、月経時の月経（生理）痛のみならず、腰痛や嘔吐感などを伴うのが「月経困難症」です。

もっとも月経周期が正常に回っているなら、これらの症状は不快ながらも自然なものです（症状を和らげる方策は必要ですが）。

photo credit: aches via photopin (license)

さて、この一連の月経周期を司っているのが「女性ホルモンの分泌機能」です。

これは卵巣はもちろんのこと、根本的には「脳の視床下部と下垂体」がいわば司令塔になっています。


たとえば過激なダイエットや極度のストレス・睡眠不足等によってそれまでの自律神経系のバランスが崩されると、その情報が脳にフィードバックされ、結果的に大もとの脳のホルモン分泌機能が乱れることになります。

これによって、若年性更年期障害のさまざまな症状が引き起こされます。

したがって若年性更年期障害は、女性ホルモンの分泌が正常なサイクルで行われるように、現状のゆがみを正す治療を施すことで、自律神経が再びバランスを回復していきます。

明らかな生理周期の乱れに気づいた段階で、病院の血液検査を受け、卵巣の女性ホルモン分泌を正常に戻す治療を行うことが、対策の王道となるわけです。


朝一番の身体が活動する前に基礎体温を測り、日々の結果を線グラフで記録しておきます（基礎体温表）。1～3ヶ月程度様子を観察すれば、自分の適正な月経周期を把握できるでしょう。

基礎体温表をつけよう（エスエス製薬）


月経周期が24日以内と短くなる状態（頻発月経）から、「卵巣機能の低下」に気づくことも少なくありません。

「頻発月経」は若年性更年期障害とは限らず、あるいはホルモンの病気からきている可能性もあります。いずれにせよ、婦人科での血液検査が必要になります。


血液検査では、「続発性無月経」「早発閉経」の可能性があるのか、それともホルモンバランスの乱れや卵巣の機能低下にとどまるだけかも、確かめられます。

なお「エストラジオール（最も作用の強い卵胞ホルモン）」の量が3分の1以下に低下していれば、「早発閉経」と診断される可能性が高まります。